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生命情報科学研究センター 研究員らがCASP6で
第3位、第4位に入賞

2006年 1月24日更新
2004年12月24日掲載

2004年夏開催されたタンパク質立体構造予測のオリンピック、CASP6に産総研 生命情報科学研究センターから参加した2チームが第3位、第4位の成績を収めました。

CASPとは [ CASP6 ホームページ ]

CASP(Critical Assessment of Techniques for Protein Structure Prediction) は2年に一度開催される国際的なコンテストで、インターネットで出題されるアミノ酸配列に対して、参加登録した研究チームが予測した立体構造モデルを送付するという形で行われます。 第6回目の今回は、6月7日から9月2日の最終問題の解答締め切りまで87問(タンパク質数)が出題され、世界各地から200 を超えるチームが参加しタンパク質立体構造予測技術を競いました。


(CASP6における ターゲット No.212)
Sor45タンパク質の予測構造(左図)と実際構造(右図)の表示。
既知情報が使いにくいこの難問も、産総研チームは立体構造予測に成功した。

生命情報科学研究センターから参加した2チームの成績

「フォールド認識部門」で富井健太郎研究員らのチームが第3位、
「ドメイン予測部門」で野口保チーム長らのチームが第4位に入賞しました。

フォールド認識部門では、既知のタンパク質の立体構造との類似性を配列相同性解析や構造認識技術などを用いていかに感度良く発見しモデル構築するかが競われます。 富井研究員らのチームは、独自の構造認識法「 FORTE 」を軸に開発したシステム「FORTE-SUITE」を用い第3位となり、12月4日から8日にイタリアで開催された結果発表会において招待講演を行いました。 日本の研究機関の招待講演は、CASP3での国立遺伝学研究所以来6年ぶりの快挙です。 また、第3位とはいえ、上位2チームは他のチームの情報を二次的に使うメタサーバーと呼ばれる方式であるため、単独技術としては世界最高の成績と言っても過言ではありません。

用いられたFORTE-SUITEシステムは、構造予測をしたいタンパク質の類縁配列プロファイルと構造既知タンパク質の類縁配列プロファイルとを、相関係数を類似性尺度として精密にアライメントする方法(FORTE法、特許出願中)によって出された複数の候補構造を元として、側鎖構造のモデリングの試行錯誤を繰り返すことで立体構造を予測するというものです。

今後、産総研が開発したこれらの立体構造予測技術は、ゲノム解析計画を通じて急増する遺伝子情報から、その遺伝子が生産するタンパク質の立体構造や機能を推定するために広く応用されていく事が期待されます。

関連講演
  • 第3回IPAB公開セミナー CASP6特集

    日時 : 2005年1月21日(金) 13〜17時
    場所 : 住商エレクトロニクス(株) SSEビル B1会議室
    詳細 : IPAB HP http://www.ipab.org/ *事前登録が必要です
    講演予定者(CBRC) : CBRC-3Dチーム(富井、広川)、CBRC-DRチーム(野口)

  • 第3回創薬インフォマティクス研究会

    日時 : 2005年1月26日(水) 13〜18時
    場所 : 東京大学医科学研究所 一号館講堂
    詳細 : 日本バイオインフォマティクス学会
        創薬インフォマティクス研究会 http://www.jsbi.org/society/pharma_info.html
        *事前登録不要
    講演予定者(CBRC) : 富井

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