2009年2月26日掲載
2月10日に独立行政法人 農業生物資源研究所から、日中共同研究によりほぼ完全(91%)にカイコゲノム塩基配列の解読に成功したことが報告されました。
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CBRCからは、諏訪主幹研究員、小野幸輝技術研修員(情報数理研究所)が、東京大学 東原和成准教授のグループと共同してこの解析プロジェクトに参加し、カイコゲノムから遺伝子同定をすることにより、7本膜貫通へリックス型受容体のファミリー分布を明らかにしました。その中でも特に嗅覚、味覚受容体に関しては他の昆虫(ショウジョウバエ、ハマダラカ、ミツバチ)と比べてカイコ特有の性質をいくつか見出しました。
このことは、昆虫の感覚メカニズムの進化学的理解を促進し、さらに将来的には、農薬開発などの"昆虫産業"に貢献できる可能性があります。
この研究成果は「Insect Biochemistry and Molecular Biology」のカイコゲノム特集号(2008年12月号)の論文として掲載されています。
The International Silkworm Genome Consortium, "The genome of a lepidopteran model insect, the silkworm Bombyx mori", Insect Biochemistry and Molecular Biology, 38, pp.1036-1045, Issue 12, Dec. (2008)