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亀田研究員らの論文が京都新聞にて紹介されました

2009年10月23日掲載



 独立行政法人 産業技術総合研究所 生命情報工学研究センター 創薬分子設計チームの亀田倫史研究員らによる原著論文「Paddling mechanism for the substrate translocation by AAA+ motor revealed by multiscale molecular simulations」に関する記事が、京都新聞(2009/10/18)に掲載されました。ここでは、その要約を紹介します。

記事要約

 細胞内で不要になったタンパク質を分解している小器官が、自らの穴構造にタンパク質を引き込む動きをコンピューターでシミュレーションすることに、京都大学、米ワシントン大、産業技術総合研究所の研究グループが成功し、米国科学アカデミー紀要でこのほど発表した。

 研究グループは、京都大学理学研究科の高田彰二准教授、米ワシントン大の古賀信康研究員、産業技術総合研究所の亀田倫史研究員ら。

 タンパク質を分解する酵素複合体の一部である、HslUタンパク質の作動機構を調べようと、コンピューターシミュレーションを行った。HslUはタンパク質分解酵素HslVとともに筒状の構造体を作り、タンパク質をとらえて分解している。HslU自体は6つのパーツが組み合って六角形を作り、ATPのエネルギーを用いて形を変えながら、中央の穴にタンパク質を引き込んでいると考えられている。

 まず、亀田研究員が、HslUタンパク質の穴に、ひも状のタンパク質を通し、原子レベルの詳細な計算機シミュレーションを行うことで、HslUタンパク質の穴の特徴を調べた。次に、この結果を元にして、古賀研究員がアミノ酸単位の粗い計算システムを開発し、HslUタンパク質が穴の中にあるタンパク質を HslV側に送り出す動きのシミュレーションを行った。すると、穴に突き出ている部分(チロシン)が、ボートのオールのように動くことで(英語で Paddlingという)タンパク質をとらえ、穴の中からHslV側に引き込んでいることを明らかにした。

該当論文

"Paddling mechanism for the substrate translocation by AAA+ motor revealed by multiscale molecular simulations" Nobuyasu Koga, Tomoshi Kameda, Kei-ichi Okazaki, and Shoji Takada Proc. Natl. Acad. Sci. (in press)
■Abstract

 

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