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バイオ情報学研究会で論文賞を受賞

2010年3月8日掲載



 社団法人情報処理学会のバイオ情報学研究会では、トランザクション論文誌IPSJ Transactions on Bioinformatics に掲載された論文の中から各年(もしくは各年度)ごとに優秀な論文を原則として1件選び、SIGBIO Best Paper Award(バイオ情報学研究会論文賞) を授与しています。この度、2008-2009年度の論文賞(*)として、独立行政法人 産業技術総合研究所 生命情報工学研究センター RNA情報工学チーム 技術研修員の浜田道昭(本務はみずほ情報総研株式会社 コンサルティンググループ サイエンスソリューション部)が筆頭著者である以下の論文が選ばれました。
(*) 今回は2008年、2009年の2年間に掲載された論文の中から1件の論文賞が選定されました。

2008 2009 SIGBIO Best Paper Award(2008 2009年度バイオ情報学研究会論文賞)

論文概要

  • 論文名:Large Scale Similarity Search for Locally Stable Secondary Structures among RNA Sequences
  • 著者: Michiaki Hamada, Toutai Mituyama and Kiyoshi Asai
  • 掲載号:IPSJ Transactions on Bioinformatics, Vol. 2, pp. 36-46, 2009.

 近年、分子生物学的実験や計算機による予測により多数の機能性RNA候補配列が得られている。さらに、ゲノム配列中には機能未知の興味深い領域(indel保存領域、human accelerated領域、transposon free領域など)が存在し、その一部は機能性RNAである可能性がある。一方で、機能性RNAの大部分は機能と密接に関連した特徴的な2次構造を有することが知られている。それゆえに、これらの機能性RNA候補配列群から互いに類似した2次構造を有するクラスタを同定することは、新しい機能性RNAファミリーを発見することに有用である。本論文では、RNAcliqueと呼ばれる、多数のRNA配列群から互いに2次構造の類似した局所2次構造のクラスタを発見するための新しい手法を提案した。計算機実験により、RNAcliqueは、非常に大規模な配列群から、機能性RNAファミリーを同定することが可能であることが示された。論文ではさらに、RNAcliqueを用いた2つの大規模解析の例を提示した。

 平成22年3月4日 5日に北陸先端科学技術大学院大学に於いて開催された第20回バイオ情報学研究会にて表彰式が行われ、研究会のメンバーからの祝福と、今後の発展を祈っての激励を受けました。

 

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