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ポリシーステートメント

2014年4月23日
研究センター長 ポール ホートン

 近年、ゲノムの測定・合成機器は驚異的な進歩を遂げており、医療やバイオテクノロジー産業の現場に急速に導入されてきている。ゲノムは「生命の設計図」とも言われるように、生命の根幹にある情報としてその大量解読は画期的なイノベーションにつながると期待されている。しかし、その期待が現実となるためには克服しなければならない技術課題が山積している。特に大量ゲノムデータの情報解析技術、及び目的に合ったゲノム設計技術の開発はゲノム情報の有効利用を促進する上で急務となっている。

 本研究センターは、ゲノムデータから疾病因子を推定する技術、ゲノム情報の秘匿検索技術、並びに効率的物質生産のためのゲノム配列設計技術を開発することにより、ゲノムデータの有効利用を促進し、産業活性化及び健康長寿社会の実現に貢献することで技術の出口を強く意識したミッションに積極的に取り組んでいく。

 また、2014年に設立された本研究センターは、アジア有数のバイオインフォマティクス拠点として広く認識されているCBRC(2001年設立の生命情報科学研究センター、2007年設立の生命情報工学研究センター)から人員・施設・環境を引き継いでいることを活かさなければならない。連携大学院、外部資金等を活用して、学生・社会人のバイオインフォマティクス人材養成や産学官連携にも取り組み、バイオインフォマティクスの研究・開発・人材養成の中核拠点であり続けることを目指す。

 研究センター長は、CBRCに課せられた社会的使命を自覚し、センター運営、産総研内外との連携及び研究成果の普及活動に尽力する。

1.ユニットのミッション

 ゲノム情報に基づく高度な診断・医療及び効率的な物質生産を実現するために必要とされる革新的な情報技術の創出と、それを担う人材の養成。

産総研のミッションとの関係
【個別化医療】
 ライフ分野:��-1健康を守る技術
 ��-1-(3)-<1> 配列情報と分子構造情報を用いた創薬支援技術開発に以下の3研究課題が対応する。
 ・「ゲノム情報の秘匿検索技術の開発」
 ・「遺伝子及びその発現の異常を高速・高精度に検出する技術の開発」
 ・「疾病因子の推定技術の開発」
 プライバシーの問題、大量ゲノム処理の問題を解決することによるゲノム・データの医療産業への利用を促進する。
【物質生産】
 グリーン分野:��-3資源の確保と有効利用技術、��-5産業の環境負荷低減技術
 I-3-(1)-<2> 及びI-5-(3)-<1> 微生物資源や有用遺伝子の探索と機能解明に以下の研究課題が対応する。
 ・「効率的物質生産のためのゲノム設計技術の開発」
 新規ゲノム設計技術開発による医薬品など有用物質の高効率生産(省資源・環境負荷の少ない生産)の実現に貢献する。

【人材養成】
 企業・大学との共同研究、技術指導、学生の受け入れ、講義・セミナーの大学との相互配信を推進し、バイオインフォマティクスの研究・人材養成の拠点としての機能を発展させて産業技術の研究基盤を構築するため、以下の重点課題で取り組む。

2.研究ユニットの研究開発方針

�� 中期目標・計画を達成するための方策
 産総研内外の研究グループとの共同研究・PJを推進する。
 より高度な情報技術を開発し、ライフサイエンス分野にとどまらず、産総研情報通信分野との連携を推進する。
�� 平成26年度の重点化方針
 ゲノム情報の秘匿検索技術の開発、ゲノム異常の検出技術、効率的物質生産のためのゲノム配列設計技術の開発、の重点化を図る。

3.ユニット内マネージメントの方針

�� 運営方針と体制についておよび他ユニットとの協力
 研究開発の方向性、効率的な組織運営について常に活発な議論が可能な、風通しの良い組織運営を目指し、構成員の知識・経験・判断力に応じた英知の集約を実現する。研究チームミーティング、研究セミナー、ジャーナルクラブなどを定期的に開催し、これらを通じて研究チーム長レベルの者が若手研究員の成長に資する体制を整える。各研究員には倫理観と管理能力を備えた自立した研究者として活動することを促す。また、研究センター内の業務分担を通じて、組織の管理運営を経験させる。
 研究センターは積極的に国内外の会議を誘致・主催し、産総研臨海副都心センターのライフ・IT研究拠点化の推進に資する。その他産学官連携を重視し、他ユニット等との連携を深め、ライフサイエンス分野の産業領域の拡大に努める。
�� 成果の発信、普及の方針
 産総研CBRC発の技術を国際的に認知させる活動に注力する。
 日本のバイオインフォマティクス最大の拠点としての活動を発信する。
 論文発表、学会発表、プレス発表、研究センター広報物、ウェブページを最大限に活用し、成果の発信に努める。実際に研究を行った研究者の顔が見える形での広報活動に留意する。各研究コミュニティにおける研究者のプレゼンス向上を支援する。
�� 個人評価(短期評価)の方針として重要視するもの
 研究成果の評価においては、研究内容のレベルの高さおよび実用的な成果を評価軸とする。論文発表等の成果については、難易度の高い論文誌への掲載は高く評価する。ソフトウェア・データベースの開発については、その重要性、普及度、継続性等を総合的に評価する。新規性、重要性の高い特許は高く評価する。
 幹部職員、研究チーム長を含むすべての研究員について、研究成果だけでなく、研究センター、産総研、外部のコミュニティへの貢献を加味して評価する。研究チーム長については、個人としての研究成果に加え、研究チームのマネージメントを重視する。幹部職員については、研究センター運営への貢献を特に重視する。
�� 人材養成の取り組み
 【内部人材の育成】
 引き続き、大学・企業に転出しても即戦力となれる能力を重視し、研究推進に必要な総合的な能力を各研究員が獲得できるように育成する。各研究員には国際会議や論文誌などでの発表、競争的研究資金への応募を奨励する。また獲得した外部資金で主導的に研究を進めるよう促す。外部人材養成コースの講師や連携大学院における学生指導などでの教育指導経験を積む機会を提供する。

 【外部人材の育成】
 外部資金を活用し、人材養成プログラムの実施とコンテンツ整備・環境構築を進める。e?ラーニングシステムを活用し、人材養成において低コストで効率良く養成者数の増加を目指す。TV会議システムによる講義の配信をベースに、遠隔地でのセミナー開催等を通じて産総研内の人材養成にも取り組む。この活動は産業界に必要な人材を供給すると共に、本研究センター開発技術の普及にも大きく貢献する。さらに、人材育成は人材交流の場ともなることから、産総研のイノベーションハブ化推進にも貢献する。今後も、これまでの実績とノウハウの蓄積を十分に活用して教育コンテンツを拡充しつつ、外部資金を引き続き獲得するように努力する。大学との連携においては、東京大学、早稲田大学、奈良先端科学技術大学院大学、お茶の水女子大学との連携大学院を通し、お台場への学生の受け入れを図る。

4.リスク管理・コンプライアンスに関する基本的考え方と具体的な取り組み

 1)リスク管理に関する基本的考え方と具体的な取り組み
(ユニットのリスク管理方針)
 労務、災害、情報などの様々なリスクを低減するための環境を整備する。そのため研究センター内でのコミュニケーションを円滑に行い、情報を共有できるようにする。
  (具体的な取り組み)
・毎月開催の全体ミーティング、職員会議、隔週開催のチーム長会議を活用し、安全衛生に関する情報を職員間で共有し、労務リスクの軽減に努める。
・新規採用者等が新規研究センターに配属された場合、早期に安全教育を実施する。
・災害等の緊急時に対応するため、センター内に防災用品や非常食を整備すると共に緊急時連絡網を構築し、関係者への通報体制を整える。
・研究センター内に情報セキュリティ委員会を組織し、各研究チームなどの係が情報セキュリティの確保に努める。

   2)コンプライアンスに関する基本的考え方と具体的な取り組み
(コンプライアンス徹底に関するユニットのポリシー)
 知的財産、研究倫理、労務管理に関する、各種法律や産総研の規定を遵守する。情報を適切に保護管理し、モラルの高い労働環境を実現する。特に新規研究センターで行う研究の性質上、ゲノムデータなど個人情報の扱いに細心の注意を払う。
(具体的な取り組み)
・毎月開催の全体ミーティング、職員会議、隔週開催のチーム長会議を活用し、コンプライアンスに関する情報を職員間で共有する。
・ヒトゲノムなど個人情報データの扱いについてヒト由来試料実験倫理員会など該当規定と法の遵守を徹底させる。
・我々の研究成果は産総研の知的財産であることを認識し、その権利の保全に努めると共に他者の知的財産権を尊重し、侵害しないように指導する。
・研究においては事実・論理と研究倫理に基づき、責任ある行動をとるように指導する。
・透明かつ適正な研究費の使用を徹底するよう指導し、またそれに必要な事務体制をつくる。
・センター幹部は、出勤簿システムを活用して各職員の勤務時間を把握すると同時に、勤務時間の管理を正確に行うように各職員を指導する。

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